「俺、のこと好きなんだけど・・・」
ポツリとつぶやいた言葉に彼女は瞳を大きく開けて驚いていた。
「・・・はどうなんさ?」
彼女は、困ったような顔をしていた。

「好きだけど・・・・これ以上の仲にはなれないのよ」

彼女はそう言った。






結 べ な い 糸






「それ・・・どういう意味だよ・・」
「私たちは仲間・・エクソシストなんだよ・・?」
「・・それが何だってんだよ・・」

「戦いに感情が入り混じってはいけない・・・万が一、そんなことがあったら困るのは私たち」
の目はどこか悲しげだったけど、声はしっかりした声だった。
「それに・・ラビはブックマンになるんでしょ?」
「けど、俺は・・」
「駄目だよ。私たちはエクソシスト同士。これ以上の関係にはなれない。」
しっかりした声からは、強い意志が読み取れたけど、瞳には涙が浮かんでいた。

「これが、私たちの運命なんだよ」
は涙を拭いて、微笑んだ。

「大好きだよ、ラビ」

のその言葉がずっと頭から離れることは無かった。



ずっと、ずっと好きだった相手と結ばれる

そんな簡単なことが俺らにはできるわけがない

それが現実で

それが


俺たちの運命だったのか






「ブックマン!・・ねぇ、ブックマンってば!」
後ろから聞こえる声に引きとめられた。
「ん?あぁ・・。」
「何考えてたの?ぼーっとしちゃって・・。」
リナリーは不思議そうに俺の顔を覗き込んだ。

「別に・・ただ昔のこと思い出してただけさ、んで?何か用でもあるんか?」
「あ、そうそう。元帥が呼んでたよ。」
「・・・わかった。」
リナリーは歩いていく俺に大声を上げて言った。

「早く行かないと怒られるからねー!」
「ゲッ、まじかよ・・。」
自然と足が早足になることに抵抗せず、そのまま走っていった。




「遅いわよ、待ちくたびれたじゃない・・。」
そう言いながら、目の前の彼女は本をパラパラとめくっていた。
目を合わさずに

の居る所が遠すぎ」
「・・ブックマン?私を誰だと思ってんの?」
はページを捲ろうとした手を止め、俺の目を見た。

「すみません、元帥」
「・・・よろしい」



あのときの俺たちは

あのときよりも強くなって、賢くなって・・・・

けれど

俺たちの運命は変わることなく


時は流れていくんだ


もう

後ろを振り向くことなんてできない


後悔なんてもうできない
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