「近藤さんたちとここを出ることにした。」
「え・・?」
「真撰組に入って戦うわけでさァ・・・・・。」





覚 悟





「何で総悟は・・・戦いに行くの?」
「戦いたいからでさァ。」

「死ぬかもしれないのに?」
総悟は何も返答しなかった。
そんなことはわかってる と顔で言っていた。

「死ぬかもしれないのに戦うだなんて・・・・・」
「俺ァ死ぬ覚悟も出来てる。」
総悟は上着を羽織り、立ち上がった。

「もう、大切な人を失いたくないの。」
「いずれ人は死ぬもんでさァ・・・」
「そんなの解ってるけど・・!」
私は反射的に立ち去ろうとした総悟の腕を掴んだ。
「総悟がもし死んだら・・・」
「そういう話はしない方がいいですぜ。」
「でも・・・」
自然と目から涙があふれた。

「また帰って来るからさァ。ここで待ってればイイんじゃないっすか?」
「・・・え?」
「じゃぁ、俺は行きますぜ。」
「え?!ちょっと総悟・・・?!」

総悟はそのまま、強くなるためにどこかに行ってしまった。



でも私はここで待ち続けてる。
毎日・・・毎日待っている。総悟が帰って来るのを。


もうあれから、1年ぐらい経っただろうか。
まだ総悟は帰って来ない。
きっと、江戸で元気にやっているだろう。


「お嬢さん。お久しぶりですぜぃ。」
「・・・え?」
後ろを振り返るとそこには総悟が居た。
「来てくれたんだ。」
「またすぐ帰らなきゃいけないけど。」

「・・・・おかえり。」
「ただいま。」
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