「せーんぱーい。」
「何?」
隣で彼女はごろごろ転がりながら猫のような声で
「だいすき」
僕にそう言う

「僕もだよ」






仮 面





「先輩ってさぁ、いっつも余裕そうな顔してるよね。」
「そう見える?」
「うん、すっごく。」
はじーっと僕の顔を見ながら言った。
「だって、いっつも笑ってるじゃん。」
確かにそうかもしれないけれど・・・。

「周りの人に仮面つけてるみたいって言われてるよ」

「・・・仮面?」
「うん。いっつも同じ顔してるって。」
そんな事言われてたのか・・・
「でもね、そこがカッコイイとか言ってる子もいるけどね。やっぱ仮面だよ。」
「へぇ。それって結局誉め言葉なの?」
「さぁ?どうなんだろー」
はまだごろごろしながら言った。

「もうすぐ授業始まるよ?」
「いいよ。別に。先輩だって授業出るの面倒くさいでしょ」
「あ。バレてたんだ」
「うん。だからサボって、まだのんびりしたい。」
は少し大きなあくびをした。
「こんなところで寝ると風邪ひくよ?」
「大丈夫。馬鹿は風邪ひかないから」
「そっか」
「あ、否定してよ。馬鹿じゃないって。」
「事実だからね。」
相変わらず僕はイジワルそうに笑った。
「くそー。言われちゃったよー」
そう言ったの顔はいつもと同じように笑って言った。

「あ、さっきの話。」
「何?」
「仮面の話ね。仮面みたいって思ってるけど、嫌いじゃないよ。先輩の笑顔。」
はのそのそと起き上がり、また一つ、あくびをした。
「って言うか・・・むしろ大好き」

気づいたら、自分の腕の中に君が居た。

「あ、嬉しい?」
はにっこり笑って言った。
「今の、先輩の顔。いつもと違う笑顔になってる。」
「本当?」
「うん。いつもよりかっこいいかもしれない。」
「結構アバウトだね。」

さらに腕の力を強めた。


「ありがと、。」
「どういたしまして。」


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