「やっぱ難しい・・・。」
「練習すれば、ちゃんとできるようになりますよ。」
「そうかなぁ・・・」
ラ ブ メ ロ デ ィ ー
長太郎と付き合って1年。
今更ですが、長太郎のことをもっと知りたいと思いピアノを弾いてみた。
もちろん、コーチは長太郎。
やっぱり教え方も上手だし・・・最高のコーチ。
「この曲難しいねぇ。」
「慣れれば簡単に弾けるようになりますよ。」
本来ならバイオリンを弾いてみようと思ったが、あまりにも難しそうだったので、
ピアノにしてみた。
一応小さい頃習っていたことはあるから初級者ではない。
曲はとある恋愛ドラマに使われていた曲。
恋愛ドラマに使われていただけあって、めちゃくちゃラブソング。
私はこれをピアノで弾き、長太郎がバイオリンで弾く・・
つまり合奏したいのである。
「じゃぁ、もう1回弾いてみますか?」
「うん。そうする。」
何回弾いてもあまり上手くいかない。
「あ、そうだ。先輩。」
「何?」
「気持ちを込めて弾いてみてください。たぶん上手くいきますから。」
「・・・気持ち?」
「聞き手に伝えたい気持ちとか・・。」
「・・・了解です。」
聞き手・・・つまり長太郎に伝えたい気持ち・・。
「さっきより良くなりましたね。」
「本当ー?!ちゃんと気持ち込めたからだー!」
「どんな気持ち込めたんですか?」
長太郎はにっこりと笑って言った。
たぶん彼はわかっている。私が長太郎への気持ちを込めたということを。
「言わなきゃ駄目?」
「はい。知りたいので。」
「長太郎が好き!って気持ちを込めたんです。」
長太郎は満足そうな顔をしていた。
「ちゃんと好きって気持ちも伝わりました。」
「じゃぁ、次は一緒に演奏しましょうか。」
長太郎はそう言ってバイオリンを取り出した。
「俺も先輩への気持ちを込めて弾きますから。」
------------あなたのことが好きって気持ちを。