好きな人を見かけただけで、ちょっとそわそわして
目が合うとどきどきしちゃって
話すときなんて、

自分がまともに喋れてない感じがする


あっちがどう思ってるなんて知らないけれど

私は好きすぎてどうすればいいかわからないの








ラプソディー act2









「青春してるわねー」
「人の事言えないでしょ」
教室でと食事中。いつも恋バナに花を咲かせてる
ちょっと乙女っぽいかななんて思ってしまうあたり、
自分ってば馬鹿なんだなーとか思う

はどうなのよ」
「んーそうねぇ。まずまずってところ?」
「微妙ね」
「そうなのよ」
も好きな人が居て、まだ付き合ってないらしいけど、恋人同士に見えたりする
付き合ってるようにしか思えないのに
「案外、あっちは友達みたいに接してるのかもしれないからね」
「そうかなー恋人に見えるけど」
「そりゃどうも」
教室で昼食を取る人は意外と少ないので、こういう話題を普通に話せる
テニス部レギュラーは屋上で食べてるみたいだし、跡部に聞かれることなんて絶対にない

こそ、仲良いじゃない」
「そんなことないよ。普通だと思うけど・・」
「そうかなー?跡部君ってばと話してるときは特別に見えるけどなー」
「変なこと言わないでよ」
そう言いつつも、少し喜んでいる自分が居た




「何やってるん?」
忍足が教室に戻ってきて会話に入ってきた
「乙女の秘密ですよ、忍足君」
はフフンと笑って言った
「え?俺入ったらアカン?」
「アカンアカン!!あんた女じゃないじゃない!」
・・関西弁移ってるよ・・」
「俺、乙女心理解できるで?」
「そういう人ほど怪しいもんだから」
相変わらず、忍足とはふざけたような会話をしている
「じゃぁ、私教室戻るわ。変態関西人来ちゃったし」
「変態は余計とちゃう?」
は私に手を振りながら席を立った

も頑張って」
そう一言言った後に教室から出て行った















「あーあ・・授業退屈やんなぁ」
「先生に聞こえるよ・・」
忍足はシャーペンをくるくる回しながら呟いた
「そういえば、跡部のクラス・・今体育やってるんとちゃう?」
「え!?嘘!!」
反射的に窓の外を見た
ちょうど、私たちの教室からグラウンドが見える
「居るかなぁ・・」
「先生にバレるでー?」
「大丈夫大丈夫。テストで十分点を取ってますから」
でも、念のため、教科書で少し顔を隠して窓の外を眺めた


見つけた




彼はグラウンドで立っていた
ちょうど先生が話してるところらしく、生徒がグランドで立っていた

後ろ姿だけど、すぐわかる




「・・あ」




目が合った



彼は少しこちらを向いて、私を見ていた
もしかしたら私を見ているわけじゃないかもしれない
けれど、あきらかにこちらを向いていた



どうしよう



手を振ってもきっと、彼は振り替えしてはくれない
それに、先生にバレてしまう

けれど、目を逸らすことなんかもできなくて



ただ、鼓動が早くなっているだけ








「見つけたんか?」
「え?!」
「ずっと見てるやん」
「あ、うん」
忍足に話しかけられて、慌てて返事をした
その瞬間に景吾は違うところを見てしまった

「何ため息ついとるん?」
「・・別に」

忍足は絶対に乙女心なんて理解してないんだろうな・・
は正解だったのね・・












「おい」
「あれー・・宍戸じゃん。めずらしいね」
「そうか?」
「うん。めったに私のクラス来ないじゃん」
「あー・・用がないからな」
宍戸は頭をかきながら言った
「跡部が呼んでた」
「え?跡部が?」
「あの野郎・・樺地が居ねぇからって俺を使いやがった」
「まぁ、2年の教室遠いもんね」
「中庭に居るってよ」
「・・中庭?しかもそろそろ授業始まると思うんだけど」
時計に目をやると、授業開始まであと3分ほどだった
「・・サボリかね」
「・・だろうな」
宍戸と目を合わせてため息をついた

なんて、自己中な人間なんだろう、と思った
けれど、呼ばれたのはすごく嬉しい

また、ドキドキしてる

これが、恋なんだね
















中庭につくと、跡部が一人で寝転がっていた
その光景は同じテニス部のジローちゃんに少し似ていた
「・・・ジローちゃんみたいになるよ?」
「あいつと一緒にするな」
私の目を見て跡部は不機嫌そうに言った

「わざわざ呼び出して、何の用?」
「これやっとけ」
私の目の前にバサッと音を立てて紙がちらばった
「何これ」
「次の対戦校の資料」
「・・榊監督から?」
「あぁ」
とりあえず、足元にちらばった紙を集める
「これをまとめればいいの・・?」
「今日中にな」
「え!間に合うかな」
「間に合うと思えねぇから、今呼び出してやらせんだよ」
「・・あぁなるほど」
つまり、放課後だけじゃ終わらないってことだ
いつも、こういう資料の整理とかは皆が部活やってる間に終わらせてる

「この写真も整理した方がいいよね」
紙と一緒に対戦校の写真がちらばっていた
「あぁ」
「で、跡部は何するの?」
「練習メニュー作んだよ」
跡部は気だるそうに言った
「それと、お前の仕事の監視」
そして私の目を見てニヤリと笑った

そんなの反則だ

「別に放棄したりとかしないよ」
「んなもんわかんねーだろ」



とりあえず、散らばった資料の整理を始めた
暫く、お互いやることに集中して、
会話なんてしてなかった











「お前さ」
跡部が動かしていた手を止めて私に声をかけた
「・・・え?」
「授業んとき、見てただろ」
「・・え!」

焦ってる私を見て跡部はまたニヤリと笑った
「見とれてたのか?」
「見とれてません!!!」
「照れるなよ」
「照れてません!!」



照れてるよ、本当は
けれど、そんなこと跡部の前じゃ言えない



この想いはまだ心に秘めておく




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