「・・・どうしたの?こんな夜に。」
「いや・・ちょっと・・。」

「何かあったの?」

「彼女と別れた。」






サ ン キ ュ ー





「はい、紅茶でいい?」
「サンキュ。」
「んで・・?何でちゃんと別れちゃったの?順序よく説明してね?」
「別に簡単な理由だよ。俺に飽きたんだと。」
「・・・飽きた?」
私はつい聞き返してしまった。
ちゃんと赤也はつい最近までかなりラブラブだったのに・・・?

「あいつ・・・他に好きな人が出来たって言いやがった。」
赤也は軽く舌打をした。やっぱ悔しいのか・・
「しかもそいつが・・・」
「そいつが?」
「・・・・丸井先輩なんだよ・・。」
「・・・・へぇ。」
「もし同学年だったり年下だったら殴りに行こうかと思ったんだけど・・・」
赤也はため息をついた。
「でも、丸井先輩って・・・彼女持ちでしょ?」
の奴も知ってるんだけど・・諦めないだとよ。」
「ふぅん・・・根性あるのね。」
私は紅茶を一口すすった。

「それで?その赤い目は泣いた後?それとも覚醒してるの?」
「覚醒って・・・」
「じゃぁ泣いたのね。この空みたいに。」
「・・・あぁ。」
赤也は目を伏せた。
「それで、いつも恋愛相談をしてた私のところに?」
「だって気軽に話せるのお前しかいないし。」
「桑原先輩とかは?」
「テニス部関係の人と話すといつか仁王先輩の耳に入るから・・・・」
赤也はその状況を想像したらしく、ブルッと震えた。

「赤也はまだ好きなんでしょ?ちゃんのこと。」
「うん。」
「じゃぁ、別れるとき何か言ったの?」
「・・・・別に。」
「この馬鹿・・・!何相手の思い通りにしてんだよ!こんちくしょうめが!!!!!!!」
「・・キャラ変ってるって。」
「あのね、意思表示くらいしなさいよ。まだ俺は別れる気ないぜ★とか言いなさいよ!」
「・・・いまどきそんな語尾に「ぜ」ってつける人滅多に居ないし。」
「ちょっとしつこくてもいいのよ!!!ストーカーはさすがにいけないけどね!」
私はちょっと大声を出しすぎたので、ぐびっと紅茶を飲んだ。
赤也は目の前で「いよっ!男前ー!」とかいいながら拍手していた。

「で、結局どうすんの?」
「別に。あいつもう俺のこと好きになんかなんねぇよ。」
「え?何で?」
「前から俺のことにたいして興味示してなかったからな。」
私は赤也のその言葉に、言葉を失った。
「絶対・・周りの男と同じようにしか見てない・・。」
「でも・・付き合ってたじゃない・・・。」
「遊びだったんじゃねぇの?」
赤也は眉間に皴を寄せながら紅茶を飲んでため息をついた。

「でも、赤也は・・好きなんでしょ?」
「あぁ。」
「なら諦めなければいいじゃない。どう思われても・・ね。」
赤也はいつもの顔に戻った。
「あー・・俺らしくねぇ。」
「だよね。ぐずぐずしてる赤也なんて・・真田先輩が見たら一括入れてるよ。」
そのときの様子を創造したらつい笑ってしまった。
「・・・・笑うなよ。」
赤也は恥ずかしいのか、ちょっと頬を染めていた。

「じゃぁ、俺帰るから。」
「うん。」
よく見ると赤也が来てから結構時間が経っていた。

「サンキュな。俺の話聞いてくれて。」
赤也は無邪気な顔で笑った。
「やっぱお前とは小さい頃から・・話しやすいや。」
そう言って赤也は手をひらひらと振りながら玄関から出て行った。

「・・・早く幼なじみから進展させないと・・。」
私はそうポツリとつぶやいてそそくさと部屋に戻った。

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