珍しく部活の無い日曜日。

自分勝手な女に 貴重な休日潰されそうだ。









  休日の買い物









TITLE : でーす
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明日祝日だね。どーせ暇でしょ?買い物付き合ってよ。
朝10時駅集合。遅れたら殺す。




そんなメールが、深夜0時に届いた。寝てた。

っていうか既に「明日」じゃねぇ。

非常識な奴だ。・・・急に買い物かよ。

意味が分からない。







どうせ荷物もちだな。



行きたくねぇ・・・・







「・・・俺、帰っちゃ駄目か・・?」

「ダーメ。」

「何でだよ!」

「は?分かんないの?やっぱバカだね。ハーゲ。」

「・・・・・・。」



いや、このシチュエーション見れば分かるけどな。

完璧な荷物持ちじゃねぇか。

・・・くそ。




俺は、ちょろちょろ店を回るを小走り気味に追いかけながら

自分の手に下げられた無数のショッピングバックを見てため息をつく。




「なぁジャッカルー!お腹空いた。ファミレス入ろー」

「・・・・俺に奢らすつもりか?」

「よろしくね、ハゲ!(にっこり)」










「イタリアンハンバーグセット下さい!」

「・・・俺も同じヤツ。」


かしこまりました、そう言って店員が奥へと消える。

俺の向かいに座ってる女は、コップを揺らして入ってる氷をコロコロ転がしてる。



なんで俺此処にいるんだ?



「一応聞いとくけど、俺さ、お前と付き合ってないよな?」

「ないね。ハゲはあたしの彼氏じゃないし、あたしはハゲの彼女じゃないし。」



そうだ。俺はコイツと付き合ってねぇ。

なのになんで


二人で買い物来てるんだよ!!



「をーい。ジャッカル〜〜」

「・・・・・・・何だよ。」

「そんな怒った顔しないでよぉ」

「誰の所為だ、誰の。」



振り回されすぎだ。

こいつは一体何を考えてるんだ?思考回路が全く読めん。



「なぁなぁ。ジャッカルって何人?アフリカ?」

「ブラジルと日本のハーフだ。」

「あ、そうだ、あたし、アフリカ人に会ったら1回聞いてみたい事があるんだけど・・・」

「ハーフだ!!!」

「ええっ!ブラジルとアフリカのハーフ!?最強じゃん!!」

「違ーーーう!!」



駄目だ・・・完全にコイツのペースだ。

なんなんだよ、もう・・・(涙目)


そんな事を考えていたら、注文していたハンバーグセットがきた。

俺との前にプレートが置かれる。


「プレートが熱くなっておりますので、お気をつけてお食べ下さい」


店員はそう言って去っていく。はすぐにナイフとフォークをとって食べ始めた。


「ねぇ、アフリカ人って視力いいんでしょ?ジャッカルいくつ?」

「アフリカじゃねーし視力も人並みだ。」

「っていうか、日本語上手いよね」

「日本人ハーフだと言ってるだろう。」

「あ、このハンバーグおいしー!」

「・・・・・・・。(もういいよ)」













「はー、お腹いっぱーい!ごちそーさま!」

「・・・(そりゃあ、俺の分まで奪ってりゃ腹いっぱいにもなるよな)」


ファミレスを出た後、俺達はまた街をぶらぶら歩き始めた。

飯を食う前からあった無数のショッピングバックは増えるばかり。


「つーかお前なんでそんな金あるんだ?」

「ママがくれるの。」

「・・・・へー。(いったいいくらもらってんだ)」

「あっ!あのお店よさげ!ジャッカルちょっと此処で待ってて!!」

「はっ!?」


分からん女だ。そして唐突だ。

ついてくるなと言って走り出し、また店へ入っていった。

俺はしばらくが戻るのを待っていたが、

10分経っても戻ってこないので、近くのベンチに座る事にした。




ああ・・・・・・・

俺なんで此処にいるんだ?(本日二度目)

・・・・・・・・泣きたいです、母さん。




「ジャーーッカル!」

「う゛ぉあっ!?」


いきなり背後からぶっとばされた。

こんな事する奴はブン太の他に一人しかいねぇ。


「ちょっとー、今の叫び声、人間が出しちゃイケナイ声だと思うんだけど〜」

「・・・遅かったな。何買ったんだ?」

「あ・・・もしや今のってアフリカ語!?え、うっそマジスゲー!教えなさいよアフリカ語ー!」

人の話を聞け!!




そんな言葉もはやっぱり聞いてない御様子で。(悲しい。)




「ところでさぁ、ジャッカル君?種明かししてあげよっかぁ!」

「・・・・・・・はぁ。」


なんなんだこの女は。


「えっへへー!ジャッカルにクイズでーす!」

「いや、意味分かんない。」

「問題ー!あたしは今日、どうしてジャッカルを誘ったのでしょうか!」




わかりませんって。意味分かりませんて。

っていうか、さっきから嬉しそうに笑いやがって・・・・・・



ちょっと可愛いじゃねぇか くそっ!




「何々?分かんない?うっそーぉ!」

「・・・荷物もち。」

「ぶー。」

「ボディーガード?」

「ブッブー。」

「飯奢らせる為?」

「ブー!!」


ここらへんまで来て、がキレた。


「ちょっと!早く当ててよー!ブーブーブーブー!このままじゃあたし豚になっちゃうよ!」

「いや、勝手になってください。」

「駄目駄目ー!ジャッカルの彼女になる女が豚じゃ駄目でしょう!」

「別にいいし・・・・は?」


ニヤっと悪戯な笑みを浮かべてが言う。


「あーあ!答え言っちゃったねぇ。」

「え、ちょ、・・・・はぁ!?」


勝ち誇ったかのように、微笑みながら言う。

それもありえない命令口調で。




「あたしの彼氏になりなさい!」




それはちょっと違うだろうとか、ツッコミ入れてる隙もなく。

俺の顔(ついでに頭も)が恥ずかしいほど赤くなっていくのは自分でも分かった。



「う・・・っそ。マジで?」

「うん、まぁそういうことだ。ジャッカル頭赤いよ。熱かい?っつうか病気じゃん?」


ちょっと待て。

思考回路が追いつかないんだけども・・・・・・


「いや、頭は別に赤いわけじゃ・・・」

「あ!そっかその病気は恋煩いか!」

「なに病気って!」


って。


「恋煩い・・・て。」

「あ、外人さん恋煩いワカル?ラブシックよラブスィック。」

「何その英語っぽい日本語っぽい・・・」

「ま、とにかくジャッカル今日からあたしの彼氏だから。」

「・・・なっ・・・!?」


でもそんなに逆らえるわけもなく。


「あのさ。何なのその結論は!」

「なんなのって・・・・なんなの!?」

「逆ギレ!?」


この緊張感の無さは何!?



「お前さ、『困らせてごめん、無かった事にして』とか乙女な事言えないタイプだよな」

「ぷぷぷー!何、ジャッカル言って欲しいの?」

「ちげーよ!」

「でも、あたしがそんなの言わないのはジャッカルだからだよ!」

「は・・・・・」

そのとき、が髪をかきあげた瞬間、いつも強きな顔がちょっと照れてるのが見えた。



「だって、ジャッカルいいやつだもん。」


「んな事ないけど。」


「いい奴だから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





は続きを何か小さな声で言った。

が、俺には聞き取れなくて「何?」って言ったら。

は、「あーもう」って言って








「好きだハゲー!」








そのあとは走って消えた。

ショッピングバックを持って立ち尽くす俺。








両手に抱えたショッピングバックは 明日にでも学校帰り一緒に家まで届けてやろう。







夕暮れの中で、まあこんな始まり方もありかもなとか思いながら帰路についた。



























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