「うっげえ、なにコレ!!あまっ!マジあまっ!!」

「いやいやいやがちょーだいって言ったんだろ!っていうか女の子がうげえとか言うな」






キャンディ キス







「あんた、いつもこんなん喰ってんの?」

「うっせーよ。じゃあ返せコノヤロー貴重な食料なんだぞ」

「口移しでいいなら。」

「おまっ・・!いつの間にそんな大胆な子に!いや、俺は嬉しいですけどね!」

「冗談だよバーカ」


ころころと口の中で飴を転がす。

イチゴ味の小さなそれは、銀ちゃんがいつも食べてる飴。


「・・・・うまい?」

「あまい」

「それだけかよ」

「だってあまいんだもん」


甘いのがいいんだよコノヤロー、と言いながら、右手を左の肩にのせてどこか違う方向を向く。

彼のいつもの癖。


・・・・・・・・・いつもの癖



「・・・・ぎんちゃーん、怒ってる?」

「いやいや全然」

「そんなに飴とられたの悔しいの?」

「そこまで醜い人間じゃないです」

「・・・・・・・でもさー」



その癖は、銀ちゃんがイライラしてるときの癖でしょ?



そういうと、銀ちゃんは苦笑いして



「ばればれ?」

「私を誰だと思って?」

「すいません」



でもやっぱり、銀ちゃんの左肩には彼のごつごつした右手が乗っかっていて



「なんで怒ってんの」

「・・・んー」

「んー?」





「・・・だってが昨日桂と仲良さそうに喋ってたからー。」






ぼそっと呟いた銀ちゃんの言葉を、私はしっかり聞きとった



「・・・・・・ああ」

「ああって何ああって!」

「あれ、銀ちゃんの話してたんだよ?」

「・・・・・・ああ」

「・・・仲良くみえたんだったらごめんなさい、でも浮気じゃないから安心してよ?


っていうか、あのとき見てたんだったら話しかけてくれればよかったのに」



飴を口の中でころがしながら、銀ちゃんに言った。



「・・・・・・・邪魔したら悪いかなー、と。」




今度は頭をぽりぽりかきながら、銀ちゃんが言う。




「・・・・・・・・・・・あまいな。」

「え。」

「この飴よりも甘い。ゲロ甘。あんたそれでも男かー!」

「いや、え?すいません・・・ええ?」





あたしはあんたがあんな小さな神楽ちゃんと仲よさげに喋ってるだけでも嫉妬してそのたびに邪魔してるじゃないですか

気付いてないのかこの男は。




あんたも邪魔してくれなきゃ、むしろあたしが寂しいんですけど




嫉妬とかなんとかって、男は素直に言えるけど

私はそれを言えないの、気付いてくださいよ照れくさいんだから。





「態度で表せコノヤロー」





口の中で飴を転がしながらぼそっと呟いたけど、銀ちゃんは頭の上にハテナを浮かべながら、そっと下を向く私の顔を覗きこんだ。





「よくわかんないけどごめんなさい。もう嫉妬とかしないから」





そうじゃないよ、やっぱ馬鹿だね銀ちゃんは。


時にこの甘すぎるキャンディみたいな 優しさなのか嫉妬なのかよくわかんない銀ちゃんの態度にイライラするのに






でも私も同じなんだなと思った。 

嫉妬もするし、それを上手くあらわせないし




「はあ・・・」

「んー?」

「銀ちゃん大好き」

「俺も」






そう言ってニカっと笑って、私の手を繋ぐ彼を見たら、ああ嫉妬とか必要ないなって思った







「銀ちゃん、飴なくなった」

「あ、そー。口移し出来なかったな」

「残念だったね」

「うんかなり」

「じゃあさ」





口の中の飴が形を失ったから、だからこそ甘い甘いキスを君に






「うっげえ甘っ!」

「あ、でも甘いキスっていいかもね」





甘い飴も悪くないね




甘すぎる君も大好きよ





ねえもう一度、甘い甘いキスをしようか





このおかしくなりそうなキツイ甘さを感じなくなるまで































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