『もしもあなたが死ぬのなら 私も一緒に死にますわ』


あの日あなたは笑ったけれど

私は本当に そう思ったのよ


あなたがいない日常なんて 生きる価値など皆無に等しい








  あなたの側を生きる








「桂さん」

「なんだ、

「・・なんでもないですわ」

「?どうかしたのか」



なんでもないです、私はまたそう言って微笑む。

ただ名前を呼びたかっただけだなんて 言ったらあなたは笑うかしら。



「桂さんの髪は綺麗ですね」

だって綺麗だぞ」

「私は桂さんの髪、好きですわ」



そうか、ありがとう あなたはそう言って、そして微笑んでもう一言言い加えた



「髪だけか?」

「ふふ・・・どうでしょう?」



静かにやさしく、戸から流れるやわらかい風がふわっとその場を包む。

桂さんの綺麗に梳かされた髪がさらさらと揺れる。

そしてそのたびに私はまたひとつ 彼を好きになる。



「ねえ桂さん」

「なんだ」

「もし桂さんが死んだら、私一緒に死にますわ」

「何を・・・」



彼は口元をうっすらゆがませて、続けた



「その必要はない。もし俺が死んだらお前は俺を忘れて自由に生きろ。」



いつも死と背中合わせの状況にある桂さんだからこそ、こうやって当たり前のようにこのセリフが言えるんだと思った。





だけど、それじゃあ困るんです。






私は一緒に死のうって言ってくださったほうが嬉しいですわ


そのほうが、あなたと同じ人生を歩むことが出来たって気持ちになれるから


あなたの人生が終れば私の人生も終るだなんて


なんだかあなたの一生に私が踏み入ることができたようで





ロマンチックだと思いませんか。




「愛してますわ」

「俺もだ、





ああ、私の我侭を聞いてください











あなたの人生に、足を踏み込ませてください









「・・・愛してますわ」









愛が足りないんじゃないの、あなたの愛を分かってるから


でも、ねぇもっと あなたのその唇から 私を好きだと言ってください









一緒に死ねなくたっていいです だけどせめて今だけでも   いつくるか分からないあなたの死におびえて生きる今だからこそ







一緒に死ななくともあなたの人生に踏み入ることが出来たと笑えるように    もっともっと私を愛してください







我侭でもいいです


長い髪で隠されたあなたの顔が見えないせいで起きる不安を どうかきれいに取り除いて














、愛してる。」













呟くようなその一言だけど ふと見上げたあなたの顔がすごくすごく綺麗だったから





あなたの笑顔が 死ぬまでずっと途絶える事のないようにと 心の底から願ったのです。











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